かとりぶたとあじさいの、子どもと遊ぶログ

かとりぶたとあじさい夫婦による、男子3兄弟育児での体験や、考えたことのブログ。

【速読】KTK(高速大量回転法)と、理解度を下げない速読は不可能という論文

かとりぶたです。
以前の記事で速読を取り上げました。
速読したい時の速読本3冊+精読本1冊 - かとりぶたとあじさいの、子どもと遊ぶログ
その中で取り上げているKTK(高速大量回転法)について掘り下げようと思いましたのでまとめておきます。

以前の記事と重複する部分もありますが、こちらの記事としてまとまっていた方が良いので重複させています。

『どんな本でも大量に読める「速読」の本』

どんな本でも大量に読める「速読」の本 (だいわ文庫)

どんな本でも大量に読める「速読」の本 (だいわ文庫)

略して『どん速』
宇都出さんの速読の最初の本かと思います。
高速大量回転法についてかなり詳しく書いてあります。

『サクッと読めてアウトプット力を高める 集中読書術』

サクッと読めてアウトプット力を高める 集中読書術

サクッと読めてアウトプット力を高める 集中読書術

高速大量回転法をベースにしつつ、その前段階として本を読むハードルを下げる話やそれによる効果(抽象化、記憶の引き出す速さ、類似関係の発見)によって頭がよくなるという話に膨らんでいます。

動画(Youtube)

本だけだと実際にどんなふうに、どんな速度で読んでいるのかイメージがつきにくいのです。
本の著者の宇都出さんの動画がありました。
速度だけでなく理解度についても話をされていて非常に参考になります。

高速大量回転法のチャンネル


高速大量回転法に直接関係する動画だけを集めたリスト

KTK - YouTube
動画は4本あります。
それぞれの感想を書いておきます。

目次読み


自著『どん速』を使いながら実演。
目次読むのめちゃくちゃ早いわ、と思って話を聞いていると、
まず一番大きな字で書いてある章のタイトルだけ読み、
そこからだんだん細かい節のタイトルに入っていく、
ということで、言われてみると超人的なことをやっているわけではない。
ただ自著なので、当然早く読めるというか読まなくても知っているからなんとでもできるという怪しさがある。

まえがき/あとがき読み


ここも『どん速』で実演。
前書きと後書きは要点が書いてあるから大事。
時間をとって読む。
ただしここも高速に回転させて読む。

本文読み(前半後半)



この「本文読み」は自著ではなく、また取り上げている本も『数学の哲学』という難解な本なので、非常に参考になる。
(速読では、速さだけでなく理解度も重要なので、難解な本をどう読むかが知りたい)
早くページをめくっているし全体に目を通しているが、それを全て理解しているわけではない。
人名や、目次にあったとっつきやすい単語を捉えてなんとなく話の流れをつかんでいる。
哲学の本なのでロジックの組み立てが非常に大事と思われるが、そこまで踏み込んでいるわけではない。
でも、試験を受けるのでないならば一旦はそれでよいというところ。

しかし読む速さと精度はトレードオフ

読む速さと精度はトレードオフであるという論文

https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/1529100615623267

There is a trade-off between speed and accuracy in reading, as there is in all forms of behavior. Increasing the speed with which you encounter words, therefore, has consequences for how well you understand and remember the text. In some scenarios, it is tolerable and even advisable to accept a decrease in comprehension in exchange for an increase in speed. This may occur, for example, if you already know a lot about the material and you are skimming through it to seek a specific piece of information. In many other situations, however, it will be necessary to slow down to a normal pace in order to achieve good comprehension.

あらゆる形態の行動に見られるように、読みの速度と正確さの間にはトレードオフがあります。あなたが言葉に遭遇するスピードを上げることは、それ故に、あなたがテキストをどれほどよく理解し、覚えているかに影響を与えます。いくつかのシナリオでは、スピードの増加と引き換えに理解力の減少を受け入れることは容認でき、そして賢明でさえあります。これは、たとえば、すでにその資料について多くのことを知っていて、特定の情報を探すためにその資料を調べている場合に発生する可能性があります。しかし、他の多くの状況では、十分な理解を深めるために、通常のペースまで減速する必要があります。(Google翻訳、太字かとりぶた)

速読は、全てを早く読んで理解するということではなく、本の構造と要点を掴み精読すべき部分を見つけ出す(精読すべき部分があれば)、という作業ということでしょう。

さらに言えば、単純に「速く読む」という速読はうさんくさい。
「飛ばし読みをする」速読は使える可能性が十分あります。