以前、ゲームのルール制限についての記事を書きました。
子供たちのゲーム時間のルールを厳しくした話 - かとりぶたとあじさいの、子どもと遊ぶログ
子どものゲームルールもポモドーロでやってみた - かとりぶたとあじさいの、子どもと遊ぶログ
今回は、ノーメディアデーという日を設定してみたというお話。
厳しいルールはお嫌い?
でもかえって子供の想像力を刺激するみたいですよ。
- ゲームのルールはあったが、テレビは無制限だった
- テレビ視聴がとにかく長い
- テレビを長時間見ることは前頭前野(ワーキングメモリ)の成長を阻害するらしい
- 制限が想像力をかき立てる
- こんなルールにした
- ノーメディアデーを設定する準備段階
- ノーメディアで起きたこと
- ルール反対意見に対する反論(自分でマッチポンプ)
- 【まとめ】子供は遊びの天才(ただし条件付き)
ゲームのルールはあったが、テレビは無制限だった
以前書いたのですが、我が家は、ゲームにはルールがあります。
こんなやつです。
ゲームをやるのは
- 平日は25分
- 休日は25分×2
で、特にテレビを見ることについてはルールはありませんでした。
あまりに見続けたら「ちょっと休みなさい」くらいの声かけはしてましたが、それくらいです。
しかしここ最近で、以下のような状況になっていたので、新たなルールを考えることにしました。
- テレビ視聴がとにかく長い
- テレビの良くないところがわかってきた
- 制限が想像力をかき立てる
テレビ視聴がとにかく長い
ゲームはルールがあるのでずっとやってるわけじゃないのですが、今度はテレビを大量に見始めました。
これがなかなか目に余る感じになってきました。
何度も同じ番組を見る
子供は、本当に同じ番組を何回も見ます。
ドラえもんとかポケモンとか、毎日同じ番組を見ていますし、ひどいときは1日に2回同じ番組(同じ放送回)を見ている時もあります。
大人もすごく好きな番組では時々ありますが、子供(特に幼児)の場合は数回〜10回見ているので度を越してます。
空き時間があるとテレビで埋めてしまう
平日でも休日でも、手持ち無沙汰になるととりあえずテレビをつけます。
で、ダラダラしてる。
もう昔の(今も?)休日のお父さん状態ですね。
テレビを長時間見ることは前頭前野(ワーキングメモリ)の成長を阻害するらしい
テレビを長時間視聴することの子供の脳への影響として、前頭前野の発達が明らかに悪くなる傾向があることがMRIでわかったとされています*1。
直観的にも、テレビを見るのはあくまで受け身なので、自分から行動したり考えたりする機会がないことがよくないように思います。
制限が想像力をかき立てる
ルールを決めて制限をつけると、ある決まった枠の中で考えたり行動したりするようになってしまうように感じます。
だからルールは少ないほうがいいと。
ルール嫌いの人の多くはこう感じているのではないかと思います。
私もそうでした。
ただし直感に反して、制限があることでかえって想像力が刺激されるということがわかっています。
「制限」が創造性を高める理由|WIRED.jp
元論文Stepping back to see the big picture: when obstacles elicit global processing. - PubMed - NCBI
つまり、この時間はテレビやゲームは禁止、とすることで、この時間をどう楽しく過ごすか、子供の想像力が刺激されることが期待できるということです。
このことで、私自身ルール設定を前向きに捉えられるようになりました。
こんなルールにした
単純に、ゲームと同じにしました。
- 平日は25分
- 休日は25分×2
追加で、以下のルールも入れました。
日曜日の午後をノーメディアにする。
今回きっぱり、ノーメディアという時間を作ってみました。
ここでの「メディア」は、テレビ、スマートフォン、タブレット、パソコン、その他電子通信機器全般を指しています。
つまり、電子的な画面なしで過ごしましょうということです。
大人もやらないと説得力がありませんから、大人も子供もです。
ノーメディアデーを設定する準備段階
意図を説明する
ノーメディアデーを設定する意図を説明します。
いちたろう、にたろうには、
「あんまりテレビを見すぎると、自分の頭で考えなくなるからだよ」
と伝えました。
若干脅し入ってるかも。
ノーメディアで起きたこと
離脱症状があった
ゲームだけでなくテレビまで制限すると、まず上がった声が、
「つまんない!何して遊ぶの!?」
でした。
子供たちは、テレビとテレビゲーム以外の遊びを忘れてしまっていたのです。
テレビゲームやテレビ以外は何にも面白くないように感じてしまっていたのです。
これは依存症でいう、「離脱症状(禁断症状)」というやつです。
ここで、前に作ったマインドマップが役立ちます。
マインドマップを見せて、「こんな遊びをやってみよう」と伝えて、具体的な遊びを見せました。
結果、テレビやゲーム以外の遊びにも目を向けられるようになりました。
遊びを考えるようになった
今のところノーメディアデーでやったことは、こんな遊びです。
- ウノ、トランプ
- 将棋
- すごろく
- かるた
- お絵描き
- 作詞作曲、歌、ダンス
どれも、ゲームやテレビみたいに電源入れたらあとは座ってればOK、というものではありません。
親も関わらなきゃいけないことも多く、手間がかかります。
脳の成長はよくわかりませんし、個人ではサンプルが少なすぎて確かめようもありません。
ただ、画面を使わない遊びのほうが遊びかたを考えたり、道具を使ったり、対面での駆け引きがあったり、子供のいろんな面が見れるなと思います。
ルール反対意見に対する反論(自分でマッチポンプ)
ルールなんてなければないほうがいいと思ってます。
だけどルールを作ったほうがいいという結論になった。
そんな中での自分の葛藤を書いておきます。
「昔はテレビのルールなんてなかった」に対して
私自身、子供の頃はテレビの視聴ルールなんてありませんでした。
親きょうだいと1台のテレビを分け合うというくらい。
だから、あんまり制限を強くしたくなかったんですよね。
なんか子供を縛る感じで。
でも、昔と今は違うんですね。
昔は面白い番組を録画しようと思っても、でかいVHSのカセットを買ってきて、それに録画しなければならなかった。
(VHS - Wikipedia
でかいカセットですが、確か3倍モードで録っても3時間とか6時間とか、それくらいの時間しかとれなかったと思います。
だから、たいして長い時間見れなかったんですね。
同じの見てたらさすがに飽きちゃいますからね。
カセットも簡単に変えないので、同じカセットに別の新しい番組を上書きしたりしてね。
今思えば不便だったなぁ。
でも今はハードディスクレコーダーに何百時間もただで録画できるようになりました。
子供はいくらでも番組を録画できて、何度でも見返せるんですね。
だから、テレビにおいては子供の観れる範囲がもう爆発的に大きくなったわけです。
何時間も見たって飽きないんです。
昔と今は状況が違うということに気づいたんです。
だから、今は今に即したルールがあっていいんじゃないかとね。
「好きならとことんやらせたらいいじゃない」に対して
好きなことはとことんやらせればいい、というのもあり得る考えかなと思います。
「ゲームやテレビには中毒性がある」ということを頭においとかないといけないですね。
スポーツや対面ゲームとはここが違います。
どういうことかというと、
「好きだからやる」のではなく、
「嫌な気分を紛らわせるためにやる」
という逃避的使用に走ったり、
他の遊びに対する興味を失ったりするのですね。
だから、ゲームをたくさんやっている、テレビをたくさん見ている、というのは、それが好きだからとはあまり関係ない可能性がある。
単に中毒になっているかもしれません。
だから放置しちゃいかんと思ってます。
「私はたくさんゲームやってたけど大人になって普通に稼いで生活してる」という方、あなたは運がいいのかもしれません。
私自身実際社会復帰が遅れる人も見てきましたし。
そりゃよかったですねと。
でもみんなに当てはまるわけじゃないですよと、そういうことですね。
【まとめ】子供は遊びの天才(ただし条件付き)
子供は遊びの天才とはよく言われる言葉ですが、鵜呑みにしちゃいけない。
ある程度の制限があって、初めていろんな遊びを考えてやるようになる。
ルールなしの自由にすると、かえってテレビゲームやテレビ視聴といった画一的な遊びに走るようになる。
自分で遊びを考えてやって楽しかった、褒められたという時の子供の笑顔はとてもいいです。
*1: マンガで分かる心療内科 依存症編(ネット・スマホ・ゲーム・ギャンブル・ポルノ) (ヤングキングコミックス)