長くなってしまったので、面倒な方はまとめに飛んでください。
都市部では花火ができるところはないのか?
子供は花火好きですよね。
祖母の家(東北)に行ったりすると、家の庭で花火ができるのでやるのですが、大喜びですね。
絵になりますし、我が家でも花火の写真はいい感じで夏の思い出として残っています。
しかし、周りでは花火ができない。
・・・と思っていたのですが、・・・・違った!
都市部では公園での花火は禁止されていると思い込んでいたのですが、よくよく調べてみると、川崎市では手持ち花火については禁止されていないことがわかってきました。
また、川崎市では禁止されていると書かれているサイトやブログもあり、それらのサイトがなぜ誤解しているかも(おそらく)わかりましたので合わせて記載します。
川崎市のFAQには花火可能とある
川崎市のサイトから引用します。
公園で花火はできますか
回答
市販の手持ち花火などは周囲に迷惑のかからない範囲で可能ですが、ロケット花火をはじめとする打ち上げ花火やバクチクなど、他人に危害が及ぶ可能性のあるものは禁止しています。また、手持ち花火などをする場合は、必ず水の入ったバケツを用意してください。花火をしながら騒いだり、ごみを散らかしたりすると、近隣や他の利用者に迷惑ですので、ご遠慮ください。なお、地域によっては花火自体を禁止している公園もありますので、ご理解・ご協力お願いします。 (太字筆者)
「市販の手持ち花火などは周囲に迷惑のかからない範囲で可能」とあります。
そのあとで、「地域によっては花火自体を禁止している公園もあります」ともありますが、この記載が意味するところは、「手持ち花火は原則禁止」ではなく、「手持ち花火は原則可能、ただし禁止されている公園もある」です。
多摩川河川敷は禁止?
しかし、多摩川河川敷は禁止されているという情報もありました。
例えば以下のサイトです。
多摩川河川敷は残念ながら花火禁止です。 世田谷区の多摩川河川敷は許可されていますので、少し移動して楽しむのも良いかもしれません。
特に根拠は書かれていません。
河川敷ができないと厳しいなあと思ったのと同時に、不思議に思いました。
「『公園で手持ち花火はできる』と川崎市FAQに記載がある一方で、同時に多摩川河川敷での花火を禁止するのはなぜか?」
公園でOKなのに、河川敷でダメというのは考えると不思議です。
というわけで、調査続行です。
川崎市には「公園では花火禁止」と書かれたサイトもある
また、川崎市のサイトの別のページからの抜粋です。
注意事項!
広場・公園内では、都市公園条例により花火・バーベキュー等の火気の使用を禁止しています。
その他、ゴルフ・ラジコン・パラグライダー等他の利用者に迷惑がかかる行為は、ご遠慮ください。
花火は禁止って書いてある。
FAQは手持ち花火出来るって書いてあったけど??
意味わからん。
FAQが市の記載ミスか?
「手持ち花火」は禁止されてなかった
もう一つのページを見て、この記載の意味がわかってきました。
公園内で禁止されている行為について知りたい
回答
川崎市では、川崎市都市公園条例第4条第1項各号において、次の行為を禁止しています。
(1)施設を損傷し、又は汚損すること
((2)〜(9)は筆者省略)
(10)前各号のほか、都市公園の管理に支障がある行為をすること
また、10号に該当する禁止行為としては次のものが挙げられます。
・(筆者省略)
・花火をする行為(火薬類取締法施行規則第1条の5第1号イに規定するもの(線香花火や手持ち花火など)を除く)
(以下略)
なるほどわかってきました。
川崎市のサイトで「花火は禁止」と書かれている場合、「花火は禁止(ただし線香花火や手持ち花火を除く)」と読むということですね。
念のため、「火薬類取締法施行規則第1条の5第1号イ」を確認しておきます。
第一条の五 法第二条第二項に規定するがん具煙火は、次の各号に掲げるものとする。
一 がん具として用いられる煙火
イ 炎、火の粉又は火花を出すことを主とするもの
(1) 吹出し、スモールトーチ、噴火山その他の筒物、すすきその他柄付きの筒物又は球物であつて、火薬十五グラム以下のもの
(2) 朝顔その他の炎を出す柄付きのより物であつて、火薬十グラム以下のもの
(3) 銀波その他のひも付きのより物であつて、火薬十グラム以下のもの
(4) スパークラーその他の光輝のある火の粉を出す柄付きのねり物であつて、火薬が露出しているもののうち、火薬十グラム(鉄粉を三十パーセント以上含んでいるものにあつては、火薬十五グラム)以下のもの
(5) サーチライト、コメットその他の柄付きのねり物であつて、紙に包まれたもののうち、火薬十グラム以下のもの
(6) 線香花火その他の火花を出す柄付きのより物又は火薬が露出しているねり物であつて、火薬〇・五グラム以下のもの
おお、難しい…。
とりあえずがん具(おもちゃ)として用いられる煙火(花火のこと?)は大丈夫っぽい。
朝顔、銀波、スパークラーは花火の種類?火薬10グラム以下ってどのくらい?
日本煙火協会という公益社団法人の資料にそのあたりについて詳しい説明があります。
花火とおもちゃ花火は区別する
花火とは 花火は法律用語で煙火とよばれており、火薬類を燃焼又は爆発させることにより、光 (色火)、音、煙を発生させるもので、観賞、信号、がん具等に 用いられています。 花火を大別すると花火大会などで使用される打揚花火や仕掛花火などの 「煙火」と、一般家庭などで使用されるおもちゃ花火などの「がん具煙火」とに 分けることができます。 (日本花火協会 花火入門)
http://www.hanabi-jpa.jp/booklet2017/pdf/hanabi_booklet_h29.pdf
花火の中には、「(打上や仕掛けなどの)花火」と「がん具花火」があります。
さらに進むと、おもちゃ花火には法律上8区分あって、それぞれ危険度の少ない火薬量が用いられているとあります。
おもちゃ花火は、メーカーや機能によって何百種類もあり、それぞれに名称が ついています。法律上の区分によると次の 8 種類になりますが、使用される火薬 類は花火の性能や現象によって危険度の少ないごく少量(0.004〜15 グラム)が 用いられています。 (日本花火協会 花火入門)
8区分のうちの1つめに「炎、火の粉、火花を出す花火」とあり、その中に
がありました。
これらは上で書いた「火薬類取締法施行規則第1条の5第1号イ」の名称と同じです。
さらに、それぞれの分類の中で火薬量が決められています。
つまり、長かったですが、手持ち花火は川崎市の公園でできることが確認できたという訳です。
ちなみに、おもちゃ花火には規格証と合格証がついていて、それがあると法令基準と安全基準と見てしていることが確認できるようです。
こんなの一度も1ミリも気にしたことありませんが、今度見て見ます。
川崎市の公園一覧
参考まで、川崎市内の公園のリストのリンクを載せておきます。
まとめ
手持ち花火の可否から始まって、花火の種類まで深いところまで行ってしまいましたが、まとめです。
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川崎市の公園では原則手持ち花火は可能。
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ただし公園によっては禁止されている場合があるので、直接確認する必要あり。
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川崎市のサイトでは、「花火は禁止」と書かれているページもあるが、これは条例に沿って打上や仕掛け花火を想定しており、手持ち花火は含まれない。
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一番わかりやすい根拠は以下のページ(再掲)。
注意!
当調査は川崎市の条例に基づいたものです。他の自治体は個別にご確認ください。
ではまた。