かとりぶたです。
仕事に家事育児に忙しく、最近読む本が減ってきている、積読が増えてきている、と感じているところ。
少しでも本を速く読みたいと思い、この機会に速読本を読んでみました。
今の速度
速読本を読んだのは初めてではないですが、20年ぶりくらいでしょうか、当時読んだ本は、
- 1行1行読まずに文章を固まりで読む
- 文章を脳内音読せずにパッパと読む
みたいなことが書いてあった記憶があります。
でも全然うまくいかない。
そんなのできるわけないじゃんということで、結局すぐに1行ずつ読むふつうの精読に戻りました。
私は1ページ1分程度で読むので、200ページ程度の本を読むのに3〜4時間。
全然早くはない。
通勤時間くらいしか読めないし通勤時間も100%読書しているわけではないので、月の読書はせいぜい3冊程度。
しかし本はちょこちょこ買うので、10冊弱積読がたまってしまいました。
もっと早くならんもんかかと今回改めて速読本を読んでみました。
速読本
『どんな本でも大量に読める「速読」の本』
どんな本でも大量に読める「速読」の本 【電子書籍版 特典付】
- 作者: 宇都出雅巳
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2013/11/08
- メディア: Kindle版
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速読に大切なのは目の動きではなく(目の動きも効果はあるが)、読者にある知識のストックだと言っています。
しかし、知らないことを知ろうとして本を読むわけで、当然ながら読者にこれから読む本についての十分な知識のストックはない。
そこで、「高速大量回転」という手法を提唱しています。
一つの本を、高速に読む、かつ何度も読む(大量回転する)ということです。
高速に読むために、読む対象を限定していて、目次→まえがき・あとがき→見出しの拾い読み→細部へというように少しずつ読む対象を広げていきます。
それぞれの段階で高速に、かつ大量回転して読みます。
1冊の本を読む目安は、30分です。
早く読むのに知識のストックが必要というのは非常に納得できます。
全く知らない分野の本を早く嫁と言われても無理な話。
そこでそれをさらに発展させて1冊の本の中でストックを蓄えていくという発想は新しかったです。
その発想の転換(これから読む本のストックを蓄えること)とは 、 「繰り返して読む 」ことです 。同じ本を繰り返し読んで 、その本に関するストックを蓄えながら 、そのストックを使って速読するのです 。
(カッコ内筆者)
たしかに何度も読むことで、より理解できるし早く読める。
また1回で理解しないといけないという思いから脱却できるので、さらに早く読める。
やってみると確かに早く読めます。
ただ、1冊の本で数回程度回転させるので、見出しやキーワード付近だけ拾い読みするにしても相当なスピードが要求されます。
30分で読むにはかなり訓練が必要と感じました。
著者のサイトがありましたので載せておきます。
だれでもできる! 速読勉強術
『年収が10倍になる速読トレーニング』
- 作者: 苫米地英人
- 出版社/メーカー: コグニティブリサーチラボ株式会社
- 発売日: 2013/12/23
- メディア: Kindle版
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理解度は今までの読み方と同等、しかし読書時間は6倍速を目指すとされています。
3時間で読める本が30分になりますから、結果的に(たまたまでしょうが)1つめの宇都出さんの本と同等の速さになっています。
著者の速読は「ハイサイクルリーディング」と名付けられています。
ハイサイクルリーディングは、1行ずつ読むが、次の行を意識にあげて先読みをする、かつ思考を加速(ハイサイクル)させて読むという速読法です。
ハイサイクルは1冊めの「高速大量回転」と名前は似ていますが全く意味が違うので注意です。
本は一字一句飛ばさずに読む 。しかも速く読む 。これが本当の速読術です 。
飛ばさずに読んでしっかり内容を理解するが早く読む、今回読んだ速読本の中でも正攻法の本です。
完全正攻法で、だからこそ正直なぜ早く読めるのかよく分からなかった(実践できなかった)手法でした。
いや頑張ればたしかにいくらか読めますよ、でもその頑張りは長続きしません。
『遅読家のための読書術』
- 作者: 印南敦史
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2016/03/07
- メディア: Kindle版
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こちらの本で提唱されているのは、「フロー・リーディング」です。
本に書かれている全てのことを頭に入れ込む(ストック・リーディング)ではなく、読み飛ばしながらその本の重要なところを抽出する方法です。
読書の本当の価値は 、書かれていることの 「 1 0 0 %を写しとる 」ことではなく 、価値を感じられるような 「 1 %に出会う 」ことにあります 。
重要な一文は、メモやレビューの形ででアウトプットします。
1つめの宇都出さんの本も見出しを拾い読みから細部に入る方法で近いものがありますが、こちらの本の方が繰り返し読むことを想定していないという違いがあります。
そのため、本へのライン引きは否定されています。
読み返さないのである意味当然です。
この本は、タイトル通り最も遅読家に寄り添った本でした。
ただ、本当にその本を理解しようと思ったらもうちょっと読み込みたいかなという感想も持ちました。
読書本
『本を読む本』
- 作者: J・モーティマー・アドラー,V・チャールズ・ドーレン,外山滋比古,槇未知子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1997/10/09
- メディア: 文庫
- 購入: 66人 クリック: 447回
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これは速読のための本ではありません。
分析的に、ていねいに本を読む(精読する)ための本です。
ただ、この本のはじめのほうに、「点検読書」という、本の下読みを行う方法があります。
この点検読書によって、この本をさらに詳しく読むべきかどうか判断します。
上で述べられている「速読」に近いです。
点検読書では、表題や序文、目次、索引、カバーのうたい文句、議論の要と思われるいくつかの章、を読み、さらにところどころ拾い読みします。
世の中には「拾い読み」にも値しない本が多いし、さっさと読み通す方が良い本もかなりある。ゆっくりとていねいに読んで、完全に理解しなくてはならない本はごく少数しかない。速読の方が向いている本に時間をかけるのは無駄というものだ。
点検読書に要する時間は数分〜1時間。
多くの本はここまでで十分(それ以上読むに値しない)ということですね。
この本は、分析的な読書やその次の段階の一つのテーマに対して複数の本を読む読書(シントピカル読書)についてていねいに書かれています。
今回読み直してみると、結構記述が厳密で難解なので、この本をしっかり読める人はすでに分析読書ができる人では…というツッコミも思いつきました。
2019/02/21追加
『読書の技法』
読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門
- 作者: 佐藤優
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2012/07/27
- メディア: 単行本
- 購入: 10人 クリック: 361回
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今回思い出して追加。
月300冊、1日平均10冊に目を通すという佐藤優さんの著書。
ここでは、「超速読」と「普通の速読」を分けています。
以下のような違いがあります。
種類 | 超速読 | 普通の速読 | 熟読 |
---|---|---|---|
1冊にかける時間 | 5分 | 30分 | ? |
読む箇所 | 最初と最後、目次 | 全て | 全て |
中身は | 見るだけでほぼ読んでいない | 重要部分を読む、あとは超速読 | 熟読 |
書き込み | なし | なし | あり |
ノート | 取らない | 取らない | 取る |
少し引用しながら筆者の考えを書いていきます。
知らない分野の本は超速読も速読もできないというのは 、速読法の大原則だ 。
速読をするにはその分野の知識が要るといのは、最初の宇都出さんと同じですね。
まあ当たり前といえば当たり前ですね。
佐藤さんの場合は、すでに持っている知識のストックが膨大なので、相当な種類の本が速読できるということなのでしょう。
また以下の記載から、佐藤さんの超速読や速読は、『本を読む本』の点検読書に近いことがわかります。
熟読すべき本はあって、それを探すための超速読であり速読であるということでしょう。
超速読の目的は 2つ ─ ─本の仕分け作業と 、本全体の中で当たりをつける
速読が熟読よりも効果を挙げることは絶対にない 。
じっくり読んだから理解できて覚えられるわけではない
今回速読本を読んで気づいたことに、「じっくり読んだから理解できて覚えられるわけではない」ということがあります。
以前から感じてはいたのですが、読んでも覚えていない、後半を読んでいるうちに前半のことをおぼろげにしか覚えていない、ということがよくありました。
速読をやってみると、むしろ速読の方が本の全体像がつかめて理解が進む面もあることがわかりました。
第 1の原則 「速く読むから理解できる 」(『どんな本でも大量に読める「速読」の本』)
今後練習していこうかというところです。
高速大量回転法かな。